
プリンス・カメハメは、『キン肉マン』および続編『キン肉マンII世』に登場する超人。
主な特徴[]
初登場はアメリカ遠征編「おちぶれプリンスの巻」。卓越した技術を持つベテラン超人で48の殺人技、52の関節技などのカメハメ殺法100手を使いこなす。その強さとココナッツ王族という出自ということもあり、ハワイでは神としても崇められていた。超人医師ドクター・ボンベは主治医かつ親友であり、40年来の付き合い。テリーマンやロビンマスクなど若い超人たちにも名を知られている。
褐色の肌で、胸板には巨大な鷲のマークがある。頭部には鶏冠状の突起があり、顔の下半分が隠れるほど髭をたくわえている。超人年齢70歳を越える高齢にもかかわらず、日々のトレーニングによって屈強な肉体を維持しているが、体力面での衰えからスタミナ切れになることもあった。
主人公キン肉マンを超人レスリング公式戦で初めて破った相手である。後に師匠としてキン肉マンに技を伝授し、夢の超人タッグ編では彼のタッグパートナー・キン肉マングレートとして宇宙超人タッグ・トーナメントに参加した。キン肉マンに勝った超人として、読者人気は非常に高かったという[1]。また、全盛期のカメハメこそが『キン肉マン』史上最も強い超人と記す書籍もある[2]。
『キン肉マン』でのカメハメ[]
アメリカ遠征編[]
カメハメはハワイ超人ヘビー級のタイトルを999回防衛するものの、すでに全盛期を過ぎ衰えていた。そして遂に1000回目の防衛戦でジェシー・メイビアに敗れてしまう。敗戦後はタイトル奪回のチャンスを伺うため、メイビアの付き人となり、彼のウイークポイントを見つけ出すが、その直後に両親が死亡するという悲劇に見舞われる。そして、自分にはもう心身ともに闘えるエネルギーが残されていないことに気付き、再戦を諦める。
その後もメイビアの元にいたカメハメは、宇宙超人ヘビー級王者としての遠征途中にハワイを訪れたキン肉マンと対戦する。これはキン肉マン対メイビアのダブルタイトルマッチの前哨戦(ノンタイトル戦)だったが、開始直後にキン肉マンの隙をついたカメハメがバックフィリップを決めフォール勝ち。わずか7秒での決着となる。試合後、途方に暮れていたキン肉マンの潜在能力を見込み、打倒メイビアの願いを込め、彼に「48の殺人技」を伝授。メイビア戦のセコンドも務めキン肉マンを勝利に導き、以後師匠と仰がれることになる。キン肉マンはハワイ超人ヘビー級のチャンピオンベルトを贈ろうとするが、カメハメはそれを受け取らず立ち去った。
夢の超人タッグ編[]
悪魔超人の生き残りアシュラマン・サンシャインの策謀により正義超人から友情が奪われたことに危機感を抱き、タッグパートナーが決まらずに苦悩するキン肉マンの前に現れる。黒いキン肉マンマスクとボディスーツに身を包んでキン肉マングレートとなり、キン肉マンとのタッグ「マッスル・ブラザーズ」を結成し宇宙超人タッグ・トーナメントに参戦。
1回戦の第1試合で四次元殺法コンビ(ペンタゴン、ブラックホール)と対戦。マーシャル・アーツ・キックやローリング・ソバットを披露し、鋭利で流麗なファイトにより一躍注目される。師匠と気を遣うキン肉マンに同等のパートナーであること、またチームワークの大切さを説き、結束を固める。ペンタゴンとブラックホールの四次元交差によりブラックホールの中に吸い込まれてしまうが、最後まで希望を捨てず、始末に来たブラックホールをキン肉バスターに捕らえた状態で脱出。ペンタゴンをキン肉ドライバーに捕らえたキン肉マンとのツープラトン技「マッスル・ドッキング」で勝利を収める。しかし年齢ゆえのスタミナの衰えは隠せずふらついてしまい、モンゴルマンらの参加超人にその点を気付かれる。
試合後は観客席にて試合を観戦していたが、第3試合終了時に、ヘル・ミッショネルズ(ネプチューンマン、ビッグ・ザ・武道)に敗れリング外に投げ落とされたロビンマスクとウォーズマンを受け止めて助け、この際に足を負傷してしまう。
第4試合のニュー・マシンガンズ(テリーマン、ジェロニモ)対はぐれ悪魔超人コンビ(アシュラマン、サンシャイン)では、降伏してもなお攻撃され危機に陥ったテリーマンとジェロニモを救うために割って入る。二人を救出するが、前述の負傷に加え、リングへ向かう際にトーナメントマウンテンをよじ登るなど老体を酷使したため、体力が尽きてしまう。そしてテリーマンの代わりにサンシャインの呪いのローラーに投げ込まれ瀕死の重傷を負う。その後、控え室でテリーマンにカメハメとしての正体を見せ、正義超人の友情復活という使命とグレートのマスクを託し、息を引き取った。テリーマンは与えられた重責に戸惑い悩むが、カメハメは霊として現れ、かつてキン肉マンとの特訓の際に用いた組木を使い自身の技術を伝授する。2代目グレートとなって準決勝のリングに上がったテリーマンは、カメハメの死と自分が成り代わったことをキン肉マンに伝えられなかったこともあり、当初はカメハメと自分との技術やファイトスタイルの違いに重圧を感じて満足に闘えなかったが、カメハメに諭されて自分本来のスタイルで闘うようになった。試合中、アシュラマンによりカメハメの遺体から右腕が奪われる(アシュラマンは死んだ超人から腕を奪う能力を持ち、失った自身の腕の代わりとした)が、己の意思により改良阿修羅バスターを阻止しテリーマンを救助。決勝戦でもグレートの正体がテリーマンであったことに動揺するキン肉マンを諭すなど、マッスル・ブラザーズのピンチの前に幾度も現れた。
キン肉星王位争奪編[]
キン肉星王位争奪サバイバル・マッチ決勝戦にて、知性チーム中堅ジ・オメガマンの技「Ω・メタモルフォーゼ」によりキン肉マンが一番強いと思う超人として召還される。思いがけずこの世に再臨したカメハメは、キン肉マンの知らない52の関節技を繰り出し痛めつけるが、その真意は実戦稽古による技の伝授だった。懸念だった技の伝授を果たしたカメハメは弟子が師匠を越える姿を見て、「もう何も教えることはない」と言い残し涙ながらに消滅した。
主要対戦成績[]
『キン肉マンII世』でのカメハメ[]
『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編』の「カメハメの激!」にて登場。それ以前ではキン肉万太郎の着ていたシャツのバックプリントという形で登場している[3]。究極の超人タッグ開始前、カメハメの遺骨はキン肉マンの手により西伊豆諸島の海に埋葬された。そこから霊体となってマッスル・ブラザーズ・ヌーボー(キン肉万太郎、カオス・アヴェニール)の前に現れる。黒後家蜘蛛の呪いに掛けられ命の危険に晒された父・スグルを心配する万太郎に対し、「キン肉マンを見くびるな」と叱咤激励。カメハメ特訓木人(前述の組木)を使い2人に稽古をつける。
得意技[]
- キン肉バスター
- 48の殺人技の一つ。
- キン肉ドライバー
- 弟子であるキン肉マンのオリジナルホールド。宇宙超人タッグ・トーナメント直前に、正体を隠してキン肉マンに接触した際に披露。
- マーシャル・アーツ・キック
- 相手に背を向け飛び上がり、後方宙返りしながら放つキック。
- 大車輪ニールキック
- 空中で車輪のように旋回しながら放つ打点の高い回し蹴り。
- 48の殺人技
- パワーを活かした派手な技。詳しくは48の殺人技を参照。
- 52の関節技
- 48の殺人技と同じくカメハメが使用する関節技。詳しくは52の関節技を参照。
- カメハメ殺法100手
- カメハメ100殺手(-ひゃくさつしゅ)とも。カメハメが使う技の総称。詳しくは、カメハメ殺法100手を参照。
タッグ技[]
- マッスル・ドッキング
- マッスル・ブラザーズのツープラトン技。キン肉バスターとキン肉ドライバーを合体させた技で、カメハメはキン肉バスターを担当した。カメハメ自身はこの技を「芸術的」と評している[4]。
プロフィール[]
- 種別 - 正義超人
- 出身 - アメリカ合衆国ハワイ州(生まれはココナッツ星)[5]
- 身長体重 - 185cm 90kg[5]
- 超人強度 - 95万パワー[5](『キン肉マン 闘将!!拉麺男 超人大名鑑』では100万パワー)
- 年齢 - 70歳[6]
- 好物 - 醤油ラーメン[4]
異名[]
個人タイトル歴[]
- ハワイ超人ヘビー級(初代)[9]
声優[]
最初のテレビアニメ版『キン肉マン』では当初、佐藤正治が担当していたが、「夢の超人タッグ編」より蟹江栄司に交代、蟹江が1985年10月に急逝した後に佐藤が再び演じ、以後のゲーム版でも担当している。
- 佐藤正治
- テレビアニメ『キン肉マン』19 - 21・114話
- コンピュータゲーム
- 蟹江栄司
- テレビアニメ『キン肉マン』88 - 111話
- 中村秀利
- テレビアニメ『キン肉マン・キン肉星王位争奪編』
テーマソング[]
- 鉄人カメハメ
- 歌 - 串田アキラ / セリフ - 佐藤正治(カメハメ) / 作詞 - 山崎晴哉 / 作曲・編曲 - 風戸慎介
コンピュータゲーム[]
『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』ではステージ5のボスキャラクターとして登場。得意技として「ゴリー・エスペシャル」「ボーバックブリーカー」「バックフリップ」を使用する。
『キン肉マン ジェネレーションズ』など『キン肉マンII世』以後のゲームでは、タッグチームを組むキャラクターによっては特定のチーム名が付けられる(同一人物である初代キン肉マングレートでも可)。以下にそれを示す。
- マッスルブラザーズ - キン肉マン
- マッスル・グレーツ - テリーマンもしくは2代目キン肉マングレート
マッスル・グレーツはゲーム独自の名称である。
『キン肉マンII世 超人聖戦史』では超人オリンピック編のストーリー終了後、主人公の正悪を示す属性ゲージが一定以上なら仲間にできる。主人公が選んだルートにより扱いが分かれる。以下にそれを示す。
- 正義・中立ルート
- 原作同様「夢の超人タッグ編」ではキン肉マングレートとして登場。選択肢次第によっては生存する。
- 悪行ルート
- 主人公が悪魔超人に加担し、「7人の悪魔超人編」における対抗戦に勝利後。キン肉マン、ラーメンマン等と共に悪魔超人達と戦う。
補足[]
- 『キン肉マン』作中ではキン肉マン以外に少なくとも3人の弟子がいる描写があるが[10]、『キン肉マンII世』においてはキン肉マンを「生涯ただ一人の弟子」と呼んでいる[11]。
- カール・ゴッチとカメハメは、境遇やファイトスタイルなどにおいて重なる部分が多く、そのため「カメハメのモデルはゴッチですか?」とよく読者から尋ねられたと作者は語っている[12]。
註[]
- ↑ ゆでたまご「これがゆで流創作術!キン肉マン―運命の選択肢― 夢の超人タッグ編」『キン肉マン 夢の超人タッグ2戦慄の覆面狩り!!編』集英社〈ジャンプリミックス ワイド版〉274頁。
- ↑ TEAM MUSCLE編「謎の51:ホントに一番強い超人って誰?」『キン肉マン 77の謎』集英社〈ジャンプコミックスセレクション〉、1998年12月16日、ISBN 4-83-421678-0、120-121頁。
- ↑ ゆでたまご「陰と陽、明暗分かれる!!」『キン肉マンII世 15』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、2001年9月24日、ISBN 978-4-08-857380-9、73・81頁。
- ↑ 4.0 4.1 「偉大な魂(キン肉マングレートのテーマ)」CD『キン肉マン超人大全集』収録。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 TEAM MUSCLE編「全超人ファイル 012 プリンス・カメハメ」『キン肉マン超人大全集』集英社インターナショナル、2004年7月31日、ISBN 978-4-7976-1003-1、41頁。
- ↑ ゆでたまご「超人名鑑 06 プリンス・カメハメ」『キン肉マン超人大全』集英社〈ジャンプコミックスセレクション〉、1998年7月22日、ISBN 978-4-8342-1677-6、57頁。
- ↑ ゆでたまご「グレートの真相!!の巻」『キン肉マン 第22巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1985年9月15日、ISBN 978-4-08-851802-2、115頁。
- ↑ ゆでたまご「皮肉な師弟対決!の巻」『キン肉マン 第35巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1987年12月9日、ISBN 978-4-08-851815-2、84頁。
- ↑ ゆでたまご「特別付録: キン肉マン激闘グラフィック」『キン肉マン 第28巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1986年10月15日、ISBN 978-4-08-851808-4、194頁。
- ↑ ゆでたまご「恐怖の関節技!の巻」『キン肉マン 第35巻』121頁。
- ↑ ゆでたまご「カメハメの檄!」『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 18』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、2009年6月24日、ISBN 978-4-08-857494-3、70頁。
- ↑ ゆでたまご作者コメント『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 09』集英社〈週刊プレイボーイ・コミックス〉、2007年12月24日、ISBN 978-4-08-857474-5、68頁。
関連項目[]
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「君がハワイチャンピオン、ジェシー・メイビアより遥かに強いからさ」