『キン肉マンII世』(キンにくマンにせい)は、ゆでたまごによる日本発の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。
概要[]
作品概要[]
本作品は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1979年より1987年まで連載されていた漫画『キン肉マン』の続編である。前作の主人公・キン肉マン(キン肉スグル)の息子・キン肉万太郎を主役として、テリーマンやロビンマスクの息子達を含む新世代超人(ニュージェネレーション)が活躍する物語である。
連載の始まり[]
『週刊プレイボーイ』(集英社)1997年34・35合併号に掲載された、『キン肉マン』のその後を描く32ページの読切作品『キン肉マンII世 伝説の序章〜1〜「血を受け継ぐ男・万太郎!」』が本作品の始まりである[1]。その後、1997年42号、43号、翌1998年1・2合併号、7号と計5回にわたり「伝説の序章」シリーズが描かれ[1]、1998年19・20合併号より正式に連載となりスタートする[1]。なお、「伝説の序章」シリーズは「ヘラクレス・ファクトリー〜伝説の序章〜編」として、第1部の単行本の最初に収録されている。
構成[]
『キン肉マンII世』は第1部と第2部に分かれており、1998年19・20合併号から2004年29号まで連載された第1部は『キン肉マンII世 second generations』(キンにくマンにせい セカンドジェネレーションズ)[2]、2004年48号[3]より連載中である第2部は『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編』(キンにくマンにせい きゅうきょくのちょうじんタッグへん)と、それぞれサブタイトルが付けられている。
第1部は2004年29号[4]で一旦終了するが、その後「特別編 〜倫敦の若大将!〜」(同年30号より47号まで掲載[5]、第1部最終巻に収録)をはさみ、同年48号[3]より第2部『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編』が開始され、2011年19・20合併号まで『週刊プレイボーイ』誌上で連載された。
また、2001年7月号から2007年5月号まで[6]、集英社の月刊雑誌『Vジャンプ』で別ストーリー『キン肉マンII世〜オール超人大進撃〜』が連載されたほか、『漫'sプレイボーイ』などの集英社の雑誌において、読切として「テリー・ザ・キッドの夜明け」などの『II世』の番外編がいくつか描かれている。
移籍[]
2011年4月11日発売の『週刊プレイボーイ』17号において、『キン肉マンII世』も含めた『週刊プレイボーイ』誌連載の漫画作品(『たいようのマキバオー』など)を、5月9日を以って集英社のウェブサイトに移籍し、そこで連載を続行させる旨が発表され[7]、同年5月9日付け(第590回)で『週プレNEWS』に移籍した。毎週更新で、閲覧は無料(要プラグイン)。
メディアミックス[]
『キン肉マンII世』はアニメを始めとしたメディアミックスがなされており、アニメ化は2002年1月にテレビ東京にて放送されたのが最初である。後に2004年と2006年にも続編があり、計3度もアニメ化された。ストーリーは第1部の「ヘラクレス・ファクトリー編」から「超人オリンピック(アニメでは超人ワールドグランプリ)編」まで放送された。このほか、小説やゲームソフトなども発売されている(アニメや小説、ゲームについては後述の節参照)。
あらすじ[]
第一部[]
- ヘラクレス・ファクトリー〜伝説の序章〜編
- 初代キン肉マンことキン肉スグルが王位に就いてから28年の月日が流れた。これまで大きな戦いもなく平和な日々が続いていた地球を、突如として悪行超人達が襲ってきた。ロビンマスクら伝説超人(レジェンド)はこれを阻止すべく立ち上がったが、すっかり年を取っていたため若い悪行超人には対抗することはできなかった。そこで悪行超人に対抗し得る若き正義超人を育成するため、アンドロメダ星雲のレッスル星にあるヘラクレス・ファクトリーを再開することにした。キン肉スグルの息子であるキン肉万太郎をはじめ、テリーマンの息子テリー・ザ・キッドなど、伝説超人の息子達も続々と送り込まれる。
- d.M.p編
- 万太郎達は厳しい訓練に耐え、無事にヘラクレス・ファクトリーを卒業。日本駐屯超人として地球に向かい、かつて父スグルに仕えていたミートと出会い、d.M.p(デーモン・メイキング・プラント)の悪行超人との正・悪超人レスリングに臨む。しかしそこには伝説超人ロビンマスクの息子ケビンマスクの姿があった。
- ヘラクレス・ファクトリー 一期生・二期生入れ替え戦編
- d.M.pが壊滅してからというもの、任務を忘れて自堕落な生活をしている万太郎達に委員長は激怒。日本駐屯超人の座を賭けて、成績上位のジェイド、スカーフェイスらヘラクレス・ファクトリー二期生(ジェネレーション-EX)と万太郎、キッド、ガゼルマン、セイウチン(team-AHO)との前代未聞の正義超人同士の抗争が始まる。
- 火事場のクソ力修練(チャレンジ)編(ノーリスペクト編)
- 薄氷でのギリギリ勝利続きでもはや全身ボロボロの万太郎に真の火事場のクソ力(通称K.K.D)を身に付けさせるため、万太郎の伯父であるキン肉アタルは牢獄に収監されていた凶悪犯罪超人であるフォーク・ザ・ジャイアント、ハンゾウ、ボーン・コールドらノーリスペクトを地球に解き放った。
- 復活超人オリンピック ザ・レザレクション(アニメでは超人ワールドグランプリ)編
- 没落していた宇宙超人委員会を再び栄耀栄華を誇っていた頃に戻す改革として、新たに超人委員会委員長に就任したイケメン・マッスルは超人オリンピックを復活させることを発表。国内予選を勝ち抜くために仲間達は皆、故郷へと戻っていった。万太郎も何とか日本代表の座を手に入れ、本戦に出場することになった。
- 悪魔の種子編
- 恐怖の将の復活のため、ミートの肉体は6つのパーツに分かたれてしまう。ミートのボディを取り戻すためアイドル超人達が悪魔の種子(デーモンシード)達と戦う。
第二部[]
- 究極の超人タッグ編
- 悪魔の種子との戦いに勝利した新世代超人たちの前に、突如時間超人と名乗る謎の超人が現れた。彼らは、キン肉マンら伝説超人の抹殺を目的に、34年前の過去(1983年)へとタイムワープをした。その後、ケビンマスクの体が消滅し始める。ケビンの父であるロビンマスクが過去で時間超人によって殺害されたことを悟った新世代超人達はタイムシップを造り、時間超人を追って宇宙超人タッグ・トーナメント終了直後の時代へと向かった。その時代で伝説超人殲滅とコンプリート球根(バルブ)を狙う時間超人達や、現役の伝説超人達と新旧入り乱れてのタッグトーナメントで闘うことになる。
番外編[]
- 特別編 〜倫敦の若大将!〜
- ケビンマスクの父であるロビンマスクが超人レスラーとしてデビューし、超人オリンピックイギリス代表に選ばれるまでのストーリー。第1部の29巻と文庫本21巻に収録。
超人の種類[]
新世代超人[]
新世代超人(ニュージェネレーション)は、主に『キン肉マンII世』の時代に活躍する若い超人達。以下の2種類に分類できる。
- 新世代正義超人
- キン肉万太郎、ケビンマスクなど、今後21世紀(第二次正義超人黄金時代)に活躍する正義超人。
- 新世代悪行超人
- ヒカルド、ボーン・コールドなど、新世代正義超人と対を成す、新世代の悪行超人。
悪行超人[]
悪行超人(あくぎょうちょうじん)は地球侵略や、人類支配を目論む悪の精神を持つ超人達。『キン肉マン』の時代では残虐超人・悪魔超人・完璧超人と分けられていたが、本作では新規読者に配慮して、ひと括りにして扱われる[8]。
- d.M.p(デーモン・メイキング・プラント、悪魔製造工場)
- 残虐超人・悪魔超人・完璧超人の生き残りが手を組んで結成した組織。本部は富士山に突き刺さっている。残虐超人と完璧超人が悪魔超人達を粛正しようとした際の抵抗により壊滅した。名前はプロレスラーのユニットnWo(ニュー・ワールド・オーダー)から取られている。
- ノーリスペクト
- キン肉星征服を企んだ3人の悪行超人。自分以外に敬意がないことからこう呼ばれた。名前はプロレス団体FMW(フロンティア・マーシャルアーツ・レスリング)のヒール集団チーム・ノー・リスペクトから取られている。
- バロン一味(仮称)
- 劇場版及びテレビアニメ終盤に登場したバロン・マクシミリアン率いる残虐超人。テレビアニメでは「最凶悪行超人軍」として登場。同一人物かは不明。
- 悪魔の種子(デーモンシード)
- 新世代悪魔超人とも。元々人間から迫害されていた超人が大魔王サタン(悪魔将軍)のジェネラル・ストーンの力で悪魔超人となった。ザ・コンステレーション、ボルトマン、再生アシュラマンなど。
- 時間超人
- 残虐超人の突然変異種で、頭に生える魔時角と呼ばれる角を折ることで、一生に一度だけタイムワープが可能。ライトニング、サンダーの「悪行・時間超人」と、時間超人の祖たるアヴェニール一族およびその一族の正義の教えを守ってきた者達からなる「正義・時間超人」が存在したが、カオス以外の正義・時間超人はライトニングとサンダーによって滅ぼされた。
伝説超人[]
伝説超人(レジェンド)は、主に『キン肉マン』の時代に現役だった超人。一部を除きすでに一線を退いている。
- 伝説正義超人
- キン肉マン、ロビンマスクらを筆頭とする、20世紀(第一次正義超人黄金期)に活躍した正義超人達(一部、元悪行超人も含む)。
- 伝説悪行超人
- 主にサンシャイン、ネプチューン・キングなどd.M.p創立メンバーなど。
登場人物[]
『キン肉マンII世の登場人物』を参照。
前作『キン肉マン』から引き続き登場している人物に関しては、『キン肉マンの登場人物』も合わせて参照のこと。
用語[]
- ヘラクレス・ファクトリー(H・F)
- 正式名称は「正義超人養成大学校」または「正義超人格闘術大学校」。アンドロメダ星雲レッスル星にある超人レスラー養成学校。詳しくはヘラクレス・ファクトリーを参照。
- 宇宙超人大全
- ミートの先祖シュラスコ族が設立した「アレキサンドリア超人図書館」に保管されている、数十億年にも渡る超人界の歴史が全て書かれている書物。歴史の変化によってそのページが変更・消滅することもある。
- 完全無比の球根(コンプリート・バルブ)
- トロフィー球根とも。宇宙超人タッグの優勝トロフィーの底に付いている球根。それを口にした者は全ての超人を超越した存在「完全無比(コンプリート)超人」となり、死者を蘇らせる効果もある。
- なお、正史にも存在していたが、キン肉マンがトロフィーに付着していた汚れと一緒に洗い流してしまったため、語られることはなかった。
- 間隙の救世主
- キン肉マン達が活躍した時代とキン肉万太郎が活躍している時代の間は正義超人が不在の時であり、その隙を狙って悪行超人が侵略をするが、“間隙の救世主”とされる人物によって阻止された。救世主と呼ばれた無名の超人は過去と現在を繋げ平和な未来を目指し、共に戦い苦しみを分かつ仲間もいない孤独の戦いの果てに勝利するも力尽き孤独の中で倒れ死を迎える。
テレビアニメ[]
劇場アニメ[]
2作製作されている。
- 『キン肉マンII世 second generations』 - 2001年7月14日公開。
- 『キン肉マンII世 マッスル人参争奪!超人大戦争』 - 2002年7月20日公開。
ゲーム[]
ここではキン肉マンII世に関するゲームソフトのみ紹介する。
- キン肉マンII世 ドリームタッグマッチ
- 2002年3月2日バンダイより発売。ワンダースワン用ソフト。
- キン肉マンII世 新世代超人VS伝説超人
- 2002年11月22日バンダイより発売。ゲームキューブ用ソフト。
- キン肉マンII世 正義超人への道
- 2002年12月6日バンプレストより発売。ゲームボーイアドバンス用ソフト。
- キン肉マンII世 超人聖戦史
- 2003年1月30日バンダイより発売。ワンダースワン用ソフト。
小説[]
- 著: 浅野智哉、原作・イラスト: ゆでたまご『キン肉マンII世 〜伝説の序章〜 ヘラクレス・ファクトリー編』集英社〈集英社スーパーダッシュ文庫〉、2002年2月22日、ISBN 4-08-630072-9
- 原作初期のヘラクレス・ファクトリー編で、万太郎がアナコンダを倒してから卒業するまでの間の話。修行の日々と、ファクトリーに潜入した悪行超人アラクネとの戦いを描く。
- ゆでたまご『キン肉マンII世 SP 伝説超人全滅!』集英社〈ジャンプ・ジェイ・ブックス〉、2002年5月、ISBN 4-08-703115-2
- 伝説超人達が次々と惨殺され、生き残りを助けに万太郎ら新世代超人が地球に向かう。ミステリー仕立ての作品。
エピソード[]
- 当初は、万太郎以外全てを既存の超人と関係ないキャラクターにすることも考えられていた[9]。
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 『肉萬』30 - 31p
- ↑ ゆでたまご公式サイトにて、第1部を総合してタイトルは『キン肉マンII世 second generations』(1998年 - 2004年)になっている。
- ↑ 3.0 3.1 『肉萬』252p
- ↑ 『肉萬』236p
- ↑ 『肉萬』237p
- ↑ 『肉萬』238p
- ↑ コミックナタリー - マキバオー、キン肉マンなど週プレ連載作がWEBに移籍
- ↑ ゆでたまご『生誕29周年記念出版 肉萬 〜キン肉マン萬の書〜』集英社、ISBN 978-4-08-908081-8、205頁。
- ↑ TEAM MUSCLE編『キン肉マン超人大全集』集英社インターナショナル、2004年7月31日、ISBN 4-7976-1003-4、91頁。
関連項目[]
外部リンク[]
- 週プレNEWS - Web掲載。毎週更新。閲覧にはプラグインが必要である。
- yahoo!コミック - 週プレNEWSと同内容のものを掲載。
- キン肉マン Official Site(公式サイト)
- 東映アニメーション内「キン肉マンII世」公式サイト
- 東映アニメーション内「キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE」公式サイト
- ゆでたまご公式サイト
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