セイウチンは、『キン肉マンII世』に登場する超人。セイウチをモチーフとしている。
アニメ版の声優は山崎たくみ、松尾銀三(劇場版第1作)。
主な特徴[]
アイルランド出身の新世代超人。ヘラクレス・ファクトリー(以下H・F)第1期生のひとりであり、セイウチ族の超人。普段温厚で目立たないが、MAXマンが万太郎・ガゼルマンの次にd.m.pで手配されている強豪超人として相手としてセイウチンの名を上げ、この時初めて周囲はセイウチンが優秀な超人であることを知った。H・Fを次席の成績で卒業、試合では高度な技を駆使して戦うテクニシャンであるが、その温厚な性格から非情になりきれず、敗北を喫することが多く実戦成績は芳しくない。
キン肉万太郎を「アニキ」と呼び慕っており、彼を最初に友情に目覚めさせたのも彼である。万太郎自身も彼を弟のように思っていたが、究極の超人タッグ編にてセイウチンに「ヘボ超人」と暴言を吐き、決別の一因となっている。
H・F卒業後は北海道に赴任。d.M.P崩壊後は東京で万太郎、テリー・ザ・キッド、ガゼルマンらと共に夜遊びを繰り返していたが、他の3人とは違い、その傍らしっかりとパトロール等を行っていた。
初登場時は短髪だったが、MAXマン戦後はドレッドヘアーにイメージチェンジ。同時に鼻にピアスをするようになった。その外見からギャル不人気No.1を万太郎と争っていると呼ばれる。
一人称は「オラ」(アニメでは「僕」、初期は「ワシ」)。彼にそっくりな母・スージーと妹・ドロシーがおり、超人オリンピックでは親子共々万太郎のサポーターとして活躍した。父・ロバートは彼とドロシーが幼い頃に時化の海に漁に出て、海難事故で亡くなっている。
『キン肉マンII世』でのセイウチン[]
H・Fを2番目の成績で卒業したセイウチンは、日本駐屯超人として北海道を担当。日本武道館に駆けつけ、テルテルボーイとの闘いで消耗した万太郎に代わりMAXマンと対戦。持ち前の運動神経でMAXマンを追い込むが、自身の優しさから本気になることができず苦戦、敗北を感じた彼は万太郎にMAXマンのビッグブーツ・インパクトの攻略を考えてもらおうと敢えて技を受ける。この行動が万太郎を友情に目覚めさせている。
H・F一期生・二期生入れ替え編ではd.M.pが壊滅してからというもの、万太郎に感化され夜遊びに繰り出していたために、二期生と日本駐屯をかけた入れ替え戦に出場させられる。Aブロックにてクリオネマンと対戦。相手に容赦しないニューセイウチンとして、クリオネマンを追い込む。闘いの中、クリオネマンに任務を忘れ遊び呆けていたことを指摘されるが、その裏では不良学生の更生や老人を助けていたことが語られた。その後クリオネマンが放ったソーラーエナジーヒートから応援に来た学生を守り負傷、そのままクリオネマンの身体に取り込まれ「xyzクラッシュ」を受け敗退。その後、病院に搬送されたが、万太郎に激励のメッセージを送る。決勝戦ではキッド、ガゼルマンと共に万太郎の応援に駆けつけ、彼を勝利に導き、再び日本駐屯超人となる。
火事場のクソ力修練編では北海道駐屯超人として、同地に現れたノーリスペクトの一人、フォーク・ザ・ジャイアントを拘束していた。
第22回超人オリンピック ザ・レザレクション編ではアイルランド代表として超人オリンピック ザ・レザレクションに出場。第1競技を突破するが、第2競技「だるま落としでドン!」に失敗し負傷(アニメでは「ビーチフラッグでイェイ!」で敗退)。その後は万太郎の試合を観戦し、パレードではトラクターを手配していた。
悪魔の種子編では仲間と共に突如与那国島に現れたジェネラル・パラストに向かうがパラストのゲートバリヤーを破れず難攻する。その後万太郎の試合を見届けるが、飛び出したパラストによりハンゾウと共に甑島へ。ハンゾウの試合を見届けた後、巌流島にて万太郎達と合流。B-エボリューションズが敗れた後は1人飛び出した万太郎をキッドとガゼルマンと共に後を追い、ヘラクレスの鎖場にて特訓する万太郎の食事係やアルティメット・阿修羅バスター対策用のロボットアームの操縦を担当。
究極の超人タッグ編[]
時間超人の引き起こしたタイムパラドックスにより、消滅の危機にあるケビンマスクを救うために自ら「タイムワープの8超人」に志願し、20世紀への旅に参加する。20世紀に着き、時間超人への妨害が成功したかに見えたが、あるトラブルでケビンマスク消滅を止めることに失敗する。さらに彼らの登場で優勝トロフィーがザ・マシンガンズを最強タッグと認めなくなったため、新世代超人・時間超人も含めて再びタッグトーナメントが開催されることになる。
新世代超人達が各々パートナーを組む中、チェック・メイトにパートナーとして誘われるが、元々自分は新世代超人の身の回りの世話のために来たとして頼みを断り、キッドとタッグを組めなくなった万太郎のパートナーになって欲しいと頼む。その後、時空船に密入船していたネプチューンマンにその身体能力を買われて勧誘を受けるが、拒否する。しかし万太郎のセイウチンの実績、経歴のなさに対する非難と罵声、さらにネプチューンマンの更なる説得によりタッグを組むことを決意、万太郎達と決別する。
その後、極限状態の中でネプチューンマンから「白熊すら逃げ出すセイウチこそが北極最強の生物」という話や民話に伝わるセイウチの意地汚さ等を無理矢理聞かされて獣性を開放され、天性の運動神経や頭脳も相まって完璧超人として洗脳され、その直後に彼を心配して追ってきた親友であるチェック・メイトにネプチューンマンとのコンビ技・クロス・ボンバーで彼の顔の皮を容赦なく剥ぐ。翌日、タッグトーナメントに出場し「ヘル・イクスパンションズ」として万太郎達の前に現れる。
予選の間引きバトルロイヤルでは万太郎を庇ったイリューヒンとバリアフリーマンの顔の皮を剥ぎ、彼らを間引く。
タッグトーナメント1回戦では同じく新世代超人であるスーパー・トリニティーズ(ジェイド、スカーフェイス)と対戦。スカーフェイスを「オプティカルファイバー・クロスボンバー」で撃破・顔の皮を剥いだ。ただし以前の優しさが完全に消えたわけではなく、オプティカルファイバー・クロス・ボンバーをジェイドに放った際は、直前に家族からの手紙を見せられていたために戸惑いが生じ、完全に顔の皮を剥ぐことができなかった。
ヘルズ・ベアーズ戦では最初はマイケル(正体はマンモスマン)を圧倒していたが、観客のブーイングに遭ったり観客席に若き日の両親の姿を居たことにより戸惑って試合に集中できなくなってしまう。さらに母親であるスージーが観客のブーイングから自分を庇ったことや、ウォーズマンや顔をはがされた超人達の再三の説得によりついに元の正義超人に戻る。完璧超人にはなれないと言いつつも、実際のところ新世代超人間でも今1歩戦績が良くなくてくすぶっていた自分を見出して、その潜在能力を引き出してくれたことについては、ネプチューンマンに対して感謝しており、あくまでもネプチューンマンとのタッグで優勝することを誓って試合を続行、ウォーズマンとの正々堂々の攻防を繰り広げる。ネプチューンマンの特訓の成果で正義超人に戻っても戦闘能力は以前より遥かに高くなっていたが、更に強くなっていたウォーズマンにはかなわず、最後は彼のパロ・スペシャルによる制裁でK.O.される。その直後、ネプチューンマンと突如ウォーズマンを裏切りったマンモスマンにより仮面を剥がされそうになったウォーズマンを救うため両者の間に割って入り、自分が顔の皮を剥がされてしまった。試合後、万太郎達と自分を庇ってくれた母親に謝罪の言葉を伝えながら涙を流す。
完璧超人となったセイウチンは毛が逆立ち、目つきが鋭くなり牙が肥大化、全身の筋肉がパンプアップされる等外見が変化している。また人語を話すことも少なくなり、唸り声を上げ暴れ出すことも多く、当初試合外では拘束衣を着せられていた。牙にはオプティカル・ファイバーの受け皿とするために、ネプチューンマンの手によりフッ素でコーティングされている。
作者は『巨人の星』で今まで仲間だった伴宙太が、主人公・星飛雄馬の敵となって再登場したエピソードに衝撃を受けたと語り、一番身近で敵にならなそうなセイウチンで、それをやってみたかったと述べている[1]。
主要対戦成績[]
- シングルマッチ
- ×MAXマン(ビッグブーツ・インパクト)
- ×クリオネマン(xyzクラッシュ)
- ○シャークマン(STF)
- ○シー・デビル(アームロック)
- タッグマッチ
- アニメオリジナル
- タッグマッチ
- ○プリプリマン&エル・カエルーン組(スカイ・ハイ・ドライバー)
- 劇場版
- タッグマッチ
- ○ザ・プロテクター&エル・カエルーン組(スパイラル・トーピードー)
『キン肉マンII世〜オール超人大進撃〜』でのセイウチン[]
第1話より登場。本編同様万太郎をアニキと慕う。
d.m.pに洗脳されたヘラクレス・ファクトリー二期生との闘いではおでんリングにてバス・ザ・シャワーを倒し一勝を上げる。
超人一等祭ではアイルランド代表として出場するが予選落ちとなる。
主要対戦成績[]
- シングルマッチ
- ×プリプリマン(不明)
- ○バス・ザ・シャワー(サーモンスプラッシュ)
得意技[]
シングル技[]
- S・T・F(ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック)
- うつぶせになった相手の片足をロックし、その上からフェイスロックを決める関節技。
- メガトン・ドロップキック
- セイウチンの重量級の肉体から繰り出されるドロップキック。詳しくはメガトン・ドロップキックを参照。
- サーモンスプラッシュ(ダブリンのつむじ風)
- 相手の肩口に乗り、そのまま後方に反転するようにジャンプ。相手の足首をつかみ相手の脳天をマットに叩きつける技。初使用はクリオネマン戦だが、その時は技名は明かされなかった。
- 『究極の超人タッグ編』では同様の技を「ダブリンのつむじ風」の名で使用。
- アイスロックドライバー
- 相手の肩口に乗った勢いで前方に反転し、そのままサーモンスプラッシュと同じ要領で相手の脳天を叩きつける。ゲームおよびアニメのみの技。
- サイクロン・オーシャンキック
- ジャンプして前方に回転しながらの鋭いキック。
- セイウチ・トゥース
- 巨大な牙による噛み付き攻撃。
- マーダー・バイト(マーダー・トゥース)
- 球状に横回転しながら飛び掛っての噛み付き。セイウチ・トゥースを一度は破ったマンモスマンに使用。回転によりノーズ・フェンシングをかわして成功させた。
- 無慈悲な鉄槌
- マウントポジションから相手の顔面めがけて鉄槌打ちの連打。
- ニードル・ファー
- 全身の毛皮を逆立てて硬質化、体をトゲだらけにした上で他の技を使用、ダメージを増す。
- 北極熊捕獲落とし
- 背後から右手で相手の顎をつかみ、頭と左手で相手の左足を担ぎ上げ体を反らせ、そのまま飛び上がり、マットに叩きつける。
- お魚アタック
- ゲーム『キン肉マンII世 ドリームタッグマッチ』オリジナル技。魚を武器に相手に攻撃を加える。
- 作者が「魚でシバキ回します」という説明を聞き面白がって採用した[2]。
タッグ技[]
- オプティカル・ファイバー・クロス・ボンバー
- ネプチューンマンの左腕とセイウチンの左牙から放射される光ファイバーの力により、お互いの力を軽減することなく瞬時に伝達するクロス・ボンバー。
- イクスパンション・タービン
- ヘル・イクスパンションズのツープラトン。が相手に噛みついた状態で相手を回転させたところに、ネプチューンマンが相手の首めがけてギロチンドロップを決める。
- フライング・セイウチ
- ヘル・イクスパンションズのツープラトン。ネプチューンマンがセイウチンの牙をリバースフルネルソンに取り、そのまま相手に投げつける。
- ランペイジ・ホイール
- ヘル・イクスパンションズのツープラトン。セイウチンが相手にジャーマン・スープレックスで投げ、ネプチューンマンがさらに相手にフライングヘッドシザースで地面に叩きつける。
- へジホッグボール
- ヘル・イクスパンションズのツープラトン。ニードルファーによりハリネズミのようになり丸まってネプチューンマンの左腕に絡み付き、相手に投げられる技。
プロフィール[]
- 分類: 新世代超人→完璧超人→新世代超人
- 出身地: アイルランド[3]
- 身長体重: 193cm 145kg[3]
- 超人強度: 91万パワー[4]
- 年齢: 14歳[3]、『火事場のクソ力修練編』時15歳[5]
- 好物: 生魚、氷[3]、風呂・温泉(42℃が適温)[6]
- 趣味: 万太郎Tシャツ集め[3]
- 家族: 父 ロバート(故人) 母 スージー 妹 ドロシー
異名[]
主な肩書き[]
個人タイトル歴[]
テーマソング[]
- 精一杯!セイウチン 〜セイウチンのテーマ〜
- 歌:山崎たくみ(セイウチン)/作詞:里乃塚玲央/作曲・編曲:渡部チェル
コンピュータゲーム[]
『キン肉マンII世』の最初のゲーム化作品であるキン肉マンII世 ドリームタッグマッチでは、14体のプレイヤーキャラクターの一人としてセイウチンが登場している。スピードは低いものの、バックドロップの威力が高いキャラクターとしてデザインされている。ゲームオリジナル技として「お魚アタック」を使用する。
『キン肉マンII世 新世代超人VS伝説超人』など据え置き機でのゲームでは、タッグチームを組むキャラクターによっては特定のチーム名が付けられる。以下にそれを示す。
- team-AHO - キン肉万太郎、テリー・ザ・キッド、ガゼルマン
- ヘル・イクスパンションズ - ネプチューンマン(PSP版のみ)
- レイン・スカイズ - ロビンマスク
- 超人マットの魔術師コンビ - ラーメンマンorモンゴルマン
- 新・旧怪力自慢コンビ - バッファローマン
- イノセントボーイズ - ジェイド
team-AHO、ヘル・イクスパンションズを除いてはゲーム独自の名称である。
補足[]
- アニメおよびゲームでセイウチンを演じた山崎は「15歳なのにおじさんキャラ」の彼を演じることに難儀し、「彼がカッコよくなりすぎている」とNGを連発してしまったという[14]。
- 究極の超人タッグ編内において、ネプチューンマンがセイウチンに語った話は、ルイス・キャロル作の童話「鏡の国のアリス」に出てくる詩『セイウチと大工』である。
註[]
- ↑ ゆでたまご『生誕29周年記念出版 肉萬 〜キン肉マン萬の書〜』集英社、ISBN 978-4-08-908081-8、256頁。
- ↑ Vジャンプ編集部「Bonus Stage ゆでたまご先生×VJ編集部 楽屋裏トークPart1」『キン肉マンII世(Second generations)ドリームタッグマッチヘラクレス・ファクトリー印超人格闘術教本 ワンダースワンカラー版 バンダイ公認』集英社〈Vジャンプブックス ゲームシリーズ〉、2002年3月日、ISBN 978-4-08-857367-0、50頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 ゆでたまご「万太郎、友情パワーに目覚める!」『キン肉マンII世 2』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、1998年11月24日、ISBN 978-4-08-857367-0、103頁。
- ↑ 「全超人ファイル 100 セイウチン」『キン肉マン超人大全集』集英社インターナショナル、2004年7月31日、ISBN 978-4-7976-1003-1、103頁。
- ↑ ゆでたまご『キン肉マンII世 9』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、2000年6月24日、ISBN 978-4-08-857374-8、147頁。
- ↑ ゆでたまご「その男…バス・ザ・シャワー!!」『キン肉マンII世 〜オール超人大進撃〜 2』集英社〈Vジャンプブックスコミックスシリーズ〉、2003年11月9日、ISBN 978-4-08-806033-0、12-13頁。
- ↑ ゆでたまご「アニキにたむける別れの言葉!?」『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 03』集英社〈週刊プレイボーイ・コミックス〉、2006年4月24日、ISBN 978-4-08-857457-8、15頁。
- ↑ ゆでたまご「立て!撃て!!叩け!!!セイウチン大逆襲」『キン肉マンII世 〜オール超人大進撃〜 2』集英社〈Vジャンプブックスコミックスシリーズ〉、2003年11月9日、ISBN 978-4-08-806033-0、20頁。
- ↑ ゆでたまご「万太郎タッグ、結成していいとも!?」『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 03』集英社〈週刊プレイボーイ・コミックス〉、107頁。
- ↑ ゆでたまご「引き返せない魔道!」『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 16』集英社〈週刊プレイボーイ・コミックス〉、2008年12月24日、ISBN 978-4-08-857488-2、199頁。
- ↑ ゆでたまご「入替え戦、凄惨な幕開け!」『キン肉マンII世 4』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、1999年4月24日、ISBN 978-4-08-857369-4、119頁。
- ↑ ゆでたまご「その名も“ケビン号”、いざ出発!!」『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 01』集英社〈週刊プレイボーイ・コミックス〉、2005年11月23日、ISBN 978-4-08-857452-3、192頁。
- ↑ 13.0 13.1 ゆでたまご「プラモが繰り出す想定外の強豪!?」『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 06』集英社〈週刊プレイボーイ・コミックス〉、2006年12月24日、ISBN 978-4-08-857463-9、123頁。
- ↑ TEAM MUSCLE編「マッスル・サポーターズ 声優編」『キン肉マンII世超人大全』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉、2002年7月24日、ISBN 978-4-08-857396-0、252-253頁。
関連項目[]
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